「駿府匠宿」は、丸子地区の新たな観光拠点としただけではなく、地場産業である伝統工芸の振興と伝承を目的とした、地域文化を次世代に伝える重要な施設である。そのため、木造を基本とした各棟には地元の木材を採用し、漆・竹細工・建具・家具には名工たちの匠の技を集結して、地元の木材と伝統工芸の美しさを融合させた。その結果、木材の振興に寄与したことが評価され「林野庁長官賞」を受賞することができた。
「地域の歴史や風土に根差し、人、自然にやさしい建築」をテーマとする近年の作品群にあって、この「駿府匠宿」も宿場町としての歴史的な街並みにとけ込み、地域と共生する建築を目指した。特に、丸子地区の豊かな緑・竹・水・花を中庭の中心に配置し、自然と融合したやさしい修景を創出している。この点においても高く評価され「全国景観大賞」を受賞することができた。