施主の業績好調に伴い、従業員の増員、及び生産能力向上を目的とした、旧本社の約4倍以上の規模となる新本社兼工場の新築工事における基本構想、基本設計、工事監修を携わりました。
旧清水市が造成した「鶴舞工業団地」内の役11.5haの高台に位置する敷地にあり、東海道新幹線や東名高速道路等から建物を望むことができます。
10階建ての新本社と東京ドーム1.2個分に当たる新工場を計画しました。
施主の思いを受け止めて、デザインや機能性をコストと調整を行いながら研鑽しました。
清水の新たなランドマークの一つになる建物です。
エントランス前には施主のコーポレートカラーの柱で吊られた大庇が来客者を包み込むように佇みます。
エントランス前の大庇と同様の形状で来客者駐車場にも屋根がかかっており、雨天時や夏季の来客者へ配慮をしております。
産業用ロボットを主に取り扱っていることがわかる無機質な仕上げ材を選定し、随所に木調を用いることで温かみを持たし、全体的なバランスを取った内装デザインとしております。
事務所廊下の壁は5階から9階までを階ごとに色を変え、富士山をイメージしたグラデーションを施しており、10階はコーポレートカラーとしています。
休憩スペース等に設置した大きな窓により、富士山や静岡市の街並みを見渡せる心地よい空間を計画しました。
昨今の気象傾向を基に、ペリメーターゾーンには居住エリアを設けず空調負荷の低減を行いました。
工場棟は使い勝手よく、設置する機械に応じた天井高さを確保しながら計画しております。
多数の従業員が車通勤することを考慮し、立体駐車場から事務所へ渡り廊下でシームレスにつながる計画としております。
設計時には多数の部署の方と打ち合わせを行い、要望を表にまとめながら、要望の漏れがないかを入念に確認しました。
特にメインの機能である工場の使い勝手や、来客者と従業員の区分け、見学者用の通路整備等の施主様以外の方にも利用しやすくすることで施主様との商談も滞りなく行えるように計画しました。
空調や照明などの設備についても、高効率になるよう、断熱の検討を行いシミュレーションを重ねながら決定しました。
使い勝手上、法規的な歩行距離の制限を満足することが難しいため、避難安全検証法を用い災害時にも問題なく避難できることを確認しました。
本社は縦方向に延び施主の益々の発展を、工場は横に広がることで事業の拡大を体現しています。
これからも末永く繁栄していくIAI様の拠点となる本社ビル兼工場となることを願っております。
基本構想・基本設計・工事監修:統括:高木 監修:小塩 主任担当兼事務所担当:豊田 工場担当:萩原 担当:小倉
実施設計・工事施工・工事監理:大和ハウス工業株式会社
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