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静かな海風が吹き抜ける港町に、新たな物流の拠点として「清水港興津12号上屋」が誕生しました。
この建物は、ただ荷物を受け渡すための施設ではありません。
人が働き、風景と交わり、時間を重ねてゆく場所として──
機能性と詩情の調和を目指しました。
外観は、やわらかなグリーンとホワイトを基調に、港の空と海を映すようなブルーをアクセントに配色。広々とした庇が列をなして延び、陽光や雨を和らげながら、作業に向き合う人々の日々をやさしく包みこみます。
計画にあたっては、庇の出寸法から壁面のライン、色の配分に至るまで丁寧に検討。
港に立ち、遠景に山をのぞむこの敷地が持つ風景に、建築がそっと馴染むよう、何度も対話を重ねました。
内部空間は、シンプルで清潔感のある白を基調に構成。
自然光を取り入れた明るい室内に、木調の建具や窓枠を添えることで、どこかやわらかな人の気配を感じさせる空間となっています。
物流という都市の血流を担う場であると同時に、働く人にとっての“居場所”となることを願って。
そして、港の風景の一部として、静かに呼吸し続ける建築であるように──
そんな想いを込めて設計しました。
担当:豊田
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